こころ便り 猫物語「ヤッタゼ!ベイビー!」

孤独の果てに見るものは
強者の歴史、弱者の涙
孤独死の果てに見るものは
精神性の高さ、哲学生の深さだ

真っ白い目ヤニ ピンクの唇
ふくれよった、顔、顔、顔
ほげた頬 胸にできた床ずれ20個
両ひざが えぐれた
骨頭が ころんで粉々に
死が 音もなく近づいた

ケイタイTELがない
仏間の京机の上だ
転んだのは 玄関の廊下
はって はって行けない

72時間のタイムリミットが過ぎる

頭のうしろが痛む
ノドが渇く
戸棚にトマトジュースが
タマゴボーロがある
私は 夢の中で
タマゴボーロを食べ
トマトジュースを飲んだ

千人の菩薩は踊る

ジュクジュクになったシャツに
尿の匂いを感じる
72時間が過ぎる
それでも、私は絶望しない!

私は、顔を捨てた!
私は、命をとった!
私は、信じた!

千人の菩薩は踊る

遠くから誰かが
私を発見する
救急車への連絡を頼んで
私は上体を起こす

ふくれた顔
ビチャビチャの下半身
死にかけた半病人が
そこにいる
誰も助かるとは、思わなかった
生きると信じたのは私だけ

千人の菩薩は踊る

救急車で運ばれて、一日後
一日で顔は元に戻った
痛みが私を現実に戻した

千人の菩薩は踊る

手術不能が、解除された
骨頭の置換手術が行われた
床ずれの菌が、入れば
はたまた、生か、死か
出血もなく、寒くもなく
あたたかくあたたかく手術は終わった

千人の菩薩は踊る

左足のひざ下の激痛!
痛みは理解されず
私は、痛みの末に保けた!

足をひきずりひきずり
私の左足は、動かなくなった!
左足が上がらず、にわとりになった

千人の菩薩は踊る

リハビリを始めて3ヶ月後
老人ホームにいる私の朝が始まる
温泉で、ジワリジワリ
全身が、ジワリジワリ
左足が動いた
医師云く「なんで!」

千人の菩薩は踊る

入院から6ヶ月後
顔のキズが完治する
傷跡なし
医師が「なんで!」との給う

千人の菩薩は踊る

歩けるようになった私は
抑速歩行車で歩く

千人の菩薩は踊る

5年後
私は元気に歩いている!
雨の日も、風の日も
私は歩く
感謝を胸に!

夫は、弁当に釣られ
女の元に走った
極彩色の打ちかけは、彼女によくにあう!
私も食事につられて老人ホームに入る
私は、生命を捨てる体験で
不動の確信を得る!
感謝、感謝!

老人ホームに入って
3ヶ月後
家が競売にかけられた、と聞く
もう、帰るところが、ない!
それでも私は、絶望しない!

千人の菩薩は、大地を走る!

私は、得の世界に連れて来れた彼女に
感謝する!

千人の菩薩は、空をつなぐ!

頭の前のほうのハゲが、治る
実年齢より若くなる!
まっ白な髪をピンクに染めて
私も、空を舞う
平和の祈りを込めて
生命のすばらしさを胸に

若い人へ
世界平和の願いを込めて!

私のそばに、ラベンダーが香る
私のそばで、猫は眠る
私のそばで、福徳は香る

千人の菩薩は、宇宙をつなぐ

私は、徳の香りで、私の世界を満たした!
ヤッタゼ、ベイビー!